授賞者に贈られたトロフィー
実際の鉄道に使われていた軌条(一般的にはレールと呼ばれているモノ)を、のと鉄道株式会社のご協力により寄贈頂いたものを、株式会社箔一によって箔加工が施された。軌条は1m あたりの重量で規格を定められており、グランプリのトロフィーには、主に幹線に用いられている5 0 kg 規格に金箔を、準グランプリは、主にローカル線に用いられている40 kg 規格に銀箔、ADC賞には同じ40kg 規格に銅箔が施されている。
各部門賞、各審査員賞、審査員特別賞、新人賞、会員賞、会員特別賞の授賞者に贈られたトロフィーものと鉄道株式会社のご協力により寄贈頂いたものを、カジサンによって塗装が施された。使われた軌条はADC 賞より一回り小さい30kg 規格を使用。菊地敦己賞には赤、福島治賞には青、ワビサビ賞には緑と各審査員賞をはじめ、各賞それぞれ異なった色が施されている。
エントリー者に渡された「乗車券」と賞状
1 エントリーにつき1 枚、作品搬入日に出品者に贈られた「栄光ゆき」の乗車券。授賞式の際、授賞者がひな壇に上がる時に、駅長に扮した司会者の後藤氏がこの切符にハサミを入れ、賞状に貼付するという趣向を凝らした。年鑑に掲載する授賞者のポートレート撮影は、湯浅氏の発案により、のと鉄道を貸し切っての撮影を予定していたため、この切符が 『「栄光ゆき」の列車に乗車できる切符』という意味も込められている。乗車券のデザインは旧国鉄の乗車券を模倣し、表記や書体まで可能な限り忠実に再現。地模様には「A D C」「かなざわ」の文字をあしらう。
栄光ゆき「Kanazawa ADC 号」運行
湯浅氏の発案により、年鑑に掲載する授賞者のポートレートのために、のと鉄道を一両貸し切っての撮影を敢行。写真の車両に掲げられているヘッドマークは、貸切車両ならばと、運行する際に車両前面に貼り付けた。七尾- 穴水間を往復、途中能登中島駅と笠師保駅に停車し行われた撮影。全行程約 4 時間、一人頭 15 分程しか余裕がない中、焦りながら作業を進める湯浅・斉藤の両名とは裏腹に、参加した授賞者は能登の豊かな自然を眺める列車の旅を満喫した(撮影の模様は186 ページ)。こちらの身勝手なお願いにも、快く誠実に対応してくださった「のと鉄道」の皆さまにこの場を借りて感謝申し上げます。
Art direction:斉藤慶 & 湯浅啓
Design:斉藤慶
Photographer:湯浅啓
Publishers:金沢ADC事務局